2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ分子遺伝学による中枢シナプス形成分子の探索
Project/Area Number |
02J08644
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 賢嗣 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | β-neurexin / zebrafish / olfactory neuron / synaptogenesis |
Research Abstract |
シナプス形成鍵分子候補分子としてβ-neurexinを選び、そのシナプス形成における役割を検証するために、シナプス成熟に応じて軸索終末に集積するVAMP2の挙動に与える影響を観察する実験を行った。はじめにゼブラフイッシュのβ-neurexinのcDNAをRT-PCR法を用いてクローニングした。それを用いてβ-Neurexinの正常型タンパクまたは一部を欠失した変異タンパクと、レポーター遺伝子VAMP2-EGFPを、それぞれolfactory marker protein遺伝子のpromoterの制御下に嗅神経特異的に発現させるdouble cassette vectorを構築した。これをゼブラフィッシュ胚にmicroinjectionして、神経回路網形成期の嗅神経軸索終末の形態を観察した。この結果β-Neurexinの正常型タンパク、または細胞内domainを欠失した変異タンパクを発現させた場合、軸索終末に通常見られるVAMP2-EGFPの集積が抑制された。これに対し、細胞外のLNS domainを欠失させた変異タンパクを発現させても、VAMP2-EGFPの集積にはほとんど影響がなかった。以上より、β-neurexinがシナプス形成期に、軸索終末の成熟に何らかの役割を果たしていることが、初めてin vivoの実験で示された。
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