2002 Fiscal Year Annual Research Report
神経発生制御因子Zicの蛋白質間相互作用による機能調節機構の解明
Project/Area Number |
02J08651
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 実幸 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経 / 発生 / Zic |
Research Abstract |
神経発生制御因子Zicファミリーは、神経分化の最初期因子として働くこと、左右軸の決定を行うこと、またヒトの先天奇形の原因遺伝子でもあることなど、脊椎動物の形態形成に重要な遺伝子であることはすでに明らかになっている。しかしZic遺伝子の具体的なシグナル制御機構は未だ明らかにされていない。そこで本研究では、Zic2のN末をbaitにして、yeast two hybrid法を用い、Zicと相互作用する分子を探索、同定し、その機能解析を行うことにより、Zicがどのようなシグナルによって発現制御され、他のどの因子と相互作用し、どの標的遺伝子の転写を活性化するのかを明らかにし、Zicのシグナル制御機構を解明することを目的としている。 今年度は、Zic蛋白質と相互作用を持つ新規分子の探索、同定、機能解析を行った。 yeast two hybridを用いてZic2と相互作用することが確認された新規の候補遺伝子を3つ同定し、完全長cDNAをクローニングした。whole mount in situ hybridization法により、いずれの新規蛋白質も、マウス胚10.5日齢においてZic2とオーバーラップすることを確認した。また、相互作用がin vitroの系でも再現されるか否かを検討する為、結合が見られた新規分子について、免疫沈降法およびGST pull down法による解析を行い、Zic2との結合を確認した。さらに、3つの遺伝子から、1つの遺伝子に解析を絞り、GST pull down法によりZic2との結合ドメインを明らかにした。また、northern hybridizationを用いて、新規遺伝子のマウスでの発現時期、発現場所を確認した。
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