2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経発生制御因子Zicの蛋白質間相互作用による機能調節機構の解明
Project/Area Number |
02J08651
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 実幸 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Zic2 / 発生 / 神経 / RING finger |
Research Abstract |
神経発生制御因子Zicファミリーは、神経分化の最初期因子として働くこと、ヒトの先天奇形の原因遺伝子でもあることなど、脊椎動物の形態形成に重要な遺伝子であることが知られている。しかしZic蛋白質の具体的な分子発生制御機構は未だ不明な点が多い。そこで本研究では、yeast two hybrid法を用いて、Zic2蛋白質と相互作用する蛋白質を探索、同定し、その機能解析を行うことにより、Zic蛋白質がどのようなシグナルによって発現制御を受けるか等の、Zicの発生制御機構を解明することを目的としている。 今年度は、Zic2と結合することが明らかになった新規のRING finger蛋白質とZic2との蛋白質間結合によるZic2調節機構について解析を行った。in vitro培養系を用い、Zic2蛋白質と新規蛋白質を共発現させ、zic2蛋白質量をImmuno blotにより検討した。その結果、新規蛋白質の過剰発現によりZic2蛋白質が有意に減少し、その減少効果がプロテアソーム阻害剤存在下でのみ抑制され、他のプロテアーゼ阻害剤存在下では抑制されなかった。また、シクロヘキシミド蛋白質合成阻害剤を用いたchase実験により、新規蛋白質がZic2蛋白質の半減期を有意に早めることが明らかになった。以上のことから、新規蛋白質がZic2蛋白質のプロテアソームによる分解を促進することが明らかになった。また、Zic2蛋白質との結合ドメインを欠く新規蛋白質の変異体を作製し、Zic2の分解活性を検討した。この結果、新規蛋白質のZic2との結合ドメインが、Zic2の分解に必要であることが明らかになった。またこの新規蛋白質はZic2の転写活性化を発現量依存的に抑制するが、新規蛋白質の結合ドメイン欠失変異体によるZic2分解活性とZic2の転写活性化抑制効果が一致することをレポーターアッセイにより明らかにした。
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Research Products
(3 results)