2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08657
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中條 美和 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 地方政治 / 知事 / フィールドワーク / 選挙 / リーダーシップ |
Research Abstract |
本研究の目的は、地方レベルの政治過程において民主主義がいかに作動しているかを明らかにすることにある。具体的には、地方政治のリーダーである県知事を中心とした権力構造を機軸として、権力基盤である有権者との関係を明らかにしていく。その手法として、観察と面接によるフィールドワークと同時に得られる数量データをもとにした統計分析の双方を用いる。研究一年目は、統計手法の取得とフィールドワークのための準備につとめた。 第一に、統計手法の取得としては、ミシガン大学におけるリサーチセンターにおいて回帰分析や欠損値の処理方法を学んだ。また、東京大学の社会科学研究所におけるセミナーを受講し、CDA,HLM、SEMについて学んだ。アメリカ政治学においては、政治学のほとんどの分野において統計分析を用いて理論検証を行うことが、年次大会への参加によって確認できた。 第二に、フィールドワークのための準備として、調査対象である熊本県知事に数回の面会をおこない、協力をとりつけた。熊本県への下見も行い、知事をはじめ県職員、支援団体、新聞社などの訪問・面会をし、協力を要請した。 また、日本選挙学会や東京大学法学部政治理論研究会における発表を通して、地方選挙と国政選挙の投票参加に関する重要なコメントを得ることができた。全国統一的なデータによる分析のみではなく、実際に地方選挙の現場を知る必要がある。 文献購読や大学院ゼミを通してリサーチデザインについて得た知見は、統計と観察のいずれの手法にしろ、理論への貢献性が重要であるということである。 今年度は、フィールドワークのための理論と研究手法、そして実際の現地での環境を整えた。これらの準備をもとに、次年度のフィールドワークにつなげる。
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