2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08734
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
芦谷 竜矢 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 樹皮液化物 / ポリウレタンフィルム / ポリウレタンフォーム / 生分解性 |
Research Abstract |
1.有用樹種の樹皮の液化及び液化物からの材料調製 スギ,ヒノキ,ラジアータパインの各樹皮について,液化および液化物からのポリウレタン(PU)フィルムの調製を検討し,スギ樹皮の場合と比較した。 その結果,ラジアータパイン樹皮が最も高い可溶化率(ca.85%)を示し,スギ,ヒノキはほぼ同様の液化率(ca.70-75%)であった。 各樹皮液化物の水酸基価の測定結果から,スギ樹皮液化物は他の樹皮液化物よりも高い水酸基価を有することが示された。さらに,各樹皮液化物からポリウレタン(PU)フィルムを調製し,その物性を検討した結果,添加物量等の調製条件を適切に設定するすることで,引っ張り強度が70MPa程度の物性を有するPUフィルムが各樹皮液化物から調製可能であることが示された。 2.スギ樹皮液化物由来ポリウレタンフォームの生分解性の検討 スギ樹皮から調製されたポリウレタン材料は,従来のポリウレタンと同等の物性を有しており,また木質材料由来であるため,担子菌等の生物によって分解される可能性が示唆される。そこで,スギ樹皮由来ポリウレタンフォーム(PUF)の生分解性を白色腐朽菌を用いて検討した。 PUFのみを有機栄養源としてカワラタケ,シイタケ等の白色腐朽菌を接種して,生分解性試験を行った結果,液化樹皮を添加して調製したPUFにおいては,各菌がフォーム上に活着して蔓延することが示された。また菌糸生育度の指標として,エルゴステロール量の測定を行った結果,樹皮無添加PUFと比較してスギ樹皮由来PUF上で菌糸の生育が顕著であった。上記の結果よりスギ樹皮由来PUFが生分解性を有することが示唆された。
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Research Products
(1 results)