2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08734
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
芦谷 竜矢 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 樹皮利用 / キノコ / 冬虫夏草 / ウレタン / グリコール・バイサルファイト法 / 液化 |
Research Abstract |
・液化物からポリウレタン材料の調整と樹皮液化物由来ポリウレタン材料の生分解性の検討 スギ,ヒノキ,ラジアータパイン各樹皮のグリコール・バイサルファイト法による液化処理で得られた液化物から,ポリウレタンフォームを調製した.スギ樹皮由来ポリウレタンに比べ,他の樹皮由来ポリウレタンは液化物の水酸基価が少ないため,同NCO/OH比で比較すると,強度が低いことが示された.さらに,各樹皮液化物由来ポリウレタンフォームの生分解性について検討した.単なる生分解性のみではなく,有用菌の培地としての利用を試みた. シイタケ,カワラタケ,マイタケ等の白色腐朽菌と冬虫夏草に代表される虫性菌を用いて,樹皮液化物由来ウレタンの分解と菌の培養を試験した. 合成培地に液化物を添加した寒天培地での生育試験の結果,シイタケ,カワラタケ,マイタケ等の白色腐朽菌では液化物による菌糸成長の阻害が示された.しかしながら,虫性菌の冬虫夏草,クモタケ,ハナサナギタケ,カメムシタケ,コナサナギタケでは菌糸の生育阻害は起こらず,生育促進効果が見られた. 栄養源を添加した吸水性フォームを培地とした培養試験では白色腐朽菌よりも虫性菌がに良好に蔓延することが示され,カメムシタケ,ハナサナギタケなど子実体を形成するものも見られた.菌培養後のフォームは水洗して菌糸を落とすと,明らかに退色,脆化しており,ガラス転移温度(TG)の測定では,菌無接種のコントロールよりも,菌を接種・培養したもので,TGの低下がみられた. また赤外吸収スペクトルの測定により,ウレタン結合が菌の作用によって分解していることが示された.
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Research Products
(1 results)