2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08868
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
松尾 弘徳 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 狂言資料 / 近代語 / 当為表現 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通り。 1.現代語において「〜しなければならない」「〜しないといけない」等によってあらわされる当為表現形式の近世中期以前の様相に関しては、未だ明らかにされているとは言い難い状況にある。この形式について現在狂言資料・抄物資料・キリシタン資料を用いて通時的考察を行っている。その成果は、雑誌論文(『語文研究』95号(九州大学国語国文学会発行))として公表予定である。 2.宮内庁書陵部に所蔵される『義堂絶句講義』は、未だ研究の十分に行われていない抄物資料である。本資料は室町時代の代表的な抄物資料『中華若木詩抄』と深い関わりがあると推察される。現在本資料の翻刻作業を行っており、こちらも来年度発行の『文献探究』41号(文献探究の会発行)において公表予定である。 3.東洋文庫707『復軒雑纂1国語学・国語国字問題編』(大槻文彦著、鈴木広光校注 平凡社2002年11月刊)の本文作成と注釈に協力し、近代語に関する多くの知見を得た。 4.徳島大学附属図書館・熊本大学付属図書館等へ赴き、複製刊行の進んでいない狂言台本の蒐集を行った。現在未整理となっている狂言資料を目録として整理してゆく作業は、来年度以降も継続して行う予定である。
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Research Products
(2 results)