2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J08868
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
松尾 弘徳 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 詞章流動期狂言資料 / 近代語 / 当為表現 / 条件表現 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通り。 1.当為表現の通時的考察 現代語で[〜しなければならない」「〜しないといけない」等で表されるような、当為に関わる表現形式の近世中期以前の様相に関しては未だ明らかにされているとは言い難い。そこで、これまでの研究で指摘されることの少なかった中世後期から近世初期にかけての当為表現形式の通時的考察を試みた。資材として用いたのは、『大蔵流虎明本』『版本狂言記』といった、当該時期に書写された狂言資料である。これらの資料を調査した結果、当為表現の前部要素は「いで」から「ねば」へ、また後部要素は「かなふ」から「なる」へという推移が見られることがわかった。 以上の研究成果は平成15年度九州大学国語国文学会(平成15年6月1日開催)において口頭発表を行い、また『語文研究』誌95号(平成15年5月30日発行)にて雑誌論文の形で公表した。 この当為表現形式についての考察は今後も継続して行い、中世から近代にかけての史的変遷をまとめる予定である。 2.未整理狂言資料の蒐集 信州大学付属図書館及び長崎大学付属図書館へ赴き、複製刊行の進んでいない狂言台本の蒐集を行った。現在未整理となっている狂言資料を目録として整理する作業は、今後も継続予定である。
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Research Products
(1 results)