2002 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内寄生性病原体の免疫回避機構に対応したDNAワクチン・遺伝子治療の戦略的基盤
Project/Area Number |
02J09066
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石井 一成 九州大学, 大学院・医学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞内寄生性病原体 / ユビキチン-プロテアソーム / DNAワクチン / トキソプラズマ / MHC ClassI |
Research Abstract |
本年度は主としてトキソプラズマ強毒株(RH株)感染に対するフュージョンDNAワクチン法を確立した。 1)MHC classIを介したCD8^+細胞の誘導には蛋白抗原がユビキチン化され、プロテアソームによりプロセッシングされることが必須である。そこでトキソプラズマ抗原遺伝子であるSAG-1遺伝子とユビキチン遺伝子の融合ベクターを構築した。 2)構築後のユビキチン-SAG1ベクターをCOS7細胞に発現させ、抗SAG-1抗体で免疫沈降させた後に抗ユビキチン抗体を用いWestern blottingでポリユビキチン化を示すユビキチンラダーを確認した。 3)ついで、ユビキチン遺伝子とSAG-1遺伝子を融合させることにより、SAG-1遺伝子産物がプロテアソームでprocessingを受けることを1)で用いたCOS-7細胞とプロテアソーム阻害剤であるMG-132を用いて間接的に証明した。 4)本融合遺伝子でBALB/cマウスに2週間毎に4回、遺伝子銃を用いてDNAワクチンを行い、最終ワクチンの2週間後にトキソプラズマRH株を致死量感染させた。その結果、SAG-遺伝子によるDNAワクチンでは全く効果がなかったが、ユビキチン-SAG-1融合遺伝子によるDNAワクチンでは90%以上のマウスが生存し、強いワクチン効果が証明された。 5)上記プロトコールでDNAワクチンを行い、マウス脾細胞を用い細胞傷害性試験を行った。その結果、ユビキチン-SAG-1遺伝子ワクチン群ではSAG-1を標的とした強いCD8^+T細胞によるキラー活性が認められた。 6)同様にマウスワクチン後脾細胞を用い、MACSカラムによりCD8^+T細胞を単離し、リアルタイムPCR法を用いてサイトカイン産生について測定した。その結果、ユビキチン-SAG-1遺伝子ワクチン群では高いインターフェロンγ産生が認められた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Nshitani, M., Sakai, T., Ishii, K.et al.: "A convenient cancer vaccine therapy with in vivo transfer of interleukin 12 expression plasmid using gene gun technology after priming with irradiated carcinoma cells"Cancer Gene Therapy. 9・2. 156-163 (2002)