2002 Fiscal Year Annual Research Report
DNA-タンパク質3次元構造体の構築と遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
02J09187
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
穴田 貴久 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Keywords | DNAコンジュゲート / アンチセンス医薬 / 遺伝子組み換え / 人工タンパク質 |
Research Abstract |
DNA複合化技術を遺伝子工学と組み合わせ、新しいDNA・タンパク質複合体の構築を行った。この複合体のDNA部分にはアンチセンス効果を持つオリゴヌクレオチド(ODN)を用いている。一方、複合体のタンパク質ドメインには、天然のタンパク質をモデルとして独自に設計した環境応答性人工タンパク質を用いている。このタンパク質は熱やpH等に応じて可逆的に三次元構造を形成することができるため、化学合成による従来の高分子材料では不可能であった高次の立体構造を制御することが可能であると考えられる。 本年度はDNA-タンパク質複合体の合成及びその基礎的物性評価を行った。 1.人工タンパク質発現ベクターの構築 鋳型DNAからポリメラーゼ連鎖反応によって目的タンパク質の遺伝子増幅を行い、発現ベクターに組み込んだ。 2.人工タンパク質の発現 発現ベクターを大腸菌に導入し、タンパク質の大量発現を行った。発現したタンパク質は精製後、ゲル電気泳動、ウエスタンブロットおよびマススペクトルによって確認を行った。 3.アンチセンスDNAとの複合化 両末端に反応性官能基を導入したDNAと発現した人工タンパク質を架橋剤を介して結合させ、複合体の合成を行った。ゲル電気泳動、マススペクトルによって複合体の生成を確認し、クロマトグラフィーによって精製を行った。 4.複合体の物理的性質の評価 複合体の物理的性質を光散乱法によって評価を行っている。また、CDスペクトルによって複合体の熱的安定性について評価を行っている。
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