2002 Fiscal Year Annual Research Report
光親和性ラベル化後修飾法を用いた糖質センサーの開発-グライコーム研究を目指して-
Project/Area Number |
02J09239
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
笠置 典之 九州大学, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光親和性 / コンカナバリンA / アルデヒド / 蛍光センサー / 糖質 |
Research Abstract |
本年度は、光アフィニティーラベル化試薬の合成を行った。光親和性ラベル化後修飾法(P-PALM)の汎用性を拡大するために、切断部位にジオール結合とイミン結合を選択し、分子設計を行い合成した。最初に合成したラベル化試薬は収率が低かったのでスペーサーの長さを変えて分子設計をやり直した。蛋白質上に生成したジオール結合を酸化的に切断するために、酸化条件の検討を行った。 イミン結合を用いたラベル化剤分子は酸性には不安定で加水分解されやすいため、イミン結合の検討を行った結果、ヒドラゾンとアルデヒドの組み合わせが適切なことが^1H-NMR, MALD-TOF-MSの結果からわかった。この分子は、良好な光ラベル収率を示し、P-PALMに有効な分子であることがわかった。蛋白質上での蛍光色素修飾はイミン交換反応を利用することで達成できることもわかった。 蛍光色素は、スペーサーの長さを変えることで蛍光変化に差がでたので、蛍光色素の合成も同時に行った。これは、コンカナバリンAの糖結合ポケットの疎水場と蛍光色素との相互作用に差があるためと考察している。 ラベル化蛋白質の精製法の検討を行った。過去の文献を調査すると、コンカナバリンAはマンノース選択性があり、グルコースに対してもある程度親和性があることがわかった。そこで、グルコースを担持してある樹脂を詰めたアフィニティーカラムを利用したすることでラベル化蛋白の精製に成功した。グラジエント条件の検討なども行い、最適な条件を設定することに成功した。 今後は糖リガンドの親和性を向上させ、光反応点を変えることで高収率なラベル化が行えると考えている。
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