2004 Fiscal Year Annual Research Report
超分子三元錯体を利用した高精度遺伝子センサに関する研究
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02J09254
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 しのぶ 九州大学, 工学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 電気化学 / 超分子錯体 / 遺伝子検出センサ / フェロセン / シクロデキストリン |
Research Abstract |
今年度は、二本鎖核酸-アダマンチル化ナフタレンジイミド(AND)-フェロセン修飾β-シクロデキストリンによる三元錯体系による目的遺伝子の検出による条件検討を行った。 まず、フェロセン修飾シクロデキストリンの合成を行い、ANDとの相互作用解析を円偏光二色性スペクトルと電気化学測定により行った。その結果、フェロセン修飾シクロデキストリンとANDの両置換基末端のアダマンタンが相互作用可能であり、さらにフェロセン修飾シクロデキストリンのフェロセンの応答は、ANDとフェロセン修飾シクロデキストリンとの相互作用前後で電気化学応答が異なることがわかった。このため、実際にDNAを修飾した金電極を用いてANDとフェロセン修飾シクロデキストリンによる相互作用解析を行った。その結果、測定溶液中にANDが存在する時のみフェロセン修飾シクロデキストリンの応答は電極表面に対して吸着挙動を示しており、このことより、電極上に存在する二本鎖DNAとAND、フェロセン修飾シクロデキストリンが三元錯体を形成していることが明らかとなった。さらに、これらを用いたときのミスマッチ検出について条件検討を行ったところ、従来よりもフルマッチとミスマッチの差の大きな識別をすることが出来た。また、測定サンプルとして、固定化プローブよりも長いDNAを用いた時、その応答は固定化プローブと同じ長さのサンプルDNAにおける応答の大きさとほぼ同じであったことから、PCR産物等の長いサンプルDNAの検出にも有用であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)