2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路網形成過程におけるシグナル伝達分子CRMP/CRAMの機能解析
Project/Area Number |
02J09408
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
稲留 涼子 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | セマフォリン / MICAL / CRAG / Filopodia形成 / 封入対形成 |
Research Abstract |
神経発生過程において伸展中の軸索がセマフォリンなどの反発因子、ネトリンなどの誘因因子に導かれながら最終的に標的細胞とシナプスをつくることにより神経回路網が形成される。また、セマフォリンは受容体であるプレキシンと共に不要になった軸索の除去機構(Axon pruning)にも関与していることが報告されている。加えて、プレキシンと結合し、セマフォリンシグナルに必須の役割をする蛋白質として酸化還元酵素であるMICALが同定され、その役割が注目されている。一方、CRMPはセマフォリンなどの反発性の神経ガイダンス機構に関与する細胞内蛋白質として同定されたが、その機能は未だ不明な点が多い。 私達はCRMPと結合する新規のGTPase、CRAG(CRMP-Associated GTPase)を同定した(論文投稿準備中)。CRAGは海馬神経初代培養細胞においてFilopodiaに強い集積が認めれ、RNAiによるCRAGノックダウンによりFilopodia形成が抑制された。また、CRAG欠損海馬初代培養細胞ではセマフォリンによる成長円錐崩壊活性が消失した。さらに、海馬および後根神経節細胞をセマフォリン刺激するとCRAGはCRAMとともに封入体を形成し、細胞外への放出されることが観察された。 以上の結果より、 1.CRAGはFilopodiaの形成に関与する 2.セマフォリンシグナリングにおいて、MICALによる活性酸素種の産生に応答してCRAMと共に封入体を形成し細胞外に放出されることにより、セマフォリンによる軸索消失機構に関与している可能性が推察された。
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Research Products
(1 results)