2002 Fiscal Year Annual Research Report
微生物菌体触媒による廃油からの環境調和型バイオディーゼル燃料生産プロセスの開発
Project/Area Number |
02J09449
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
海江田 優 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | バイオディーゼル / メタノリシス / Aspergillus / Rhizopus / リパーゼ |
Research Abstract |
メタノリシス反応に繰り返し利用できる安定性を固定化菌体に付与するため、野生株価Rhizopus oryzae IFO4697をBiomass Support Particles (BSPs)とともに坂口フラスコで培養し、得られた固定化菌体のグルタールアルデヒド(GA)処理を行った。この結果、GA未処理菌体に比べ安定性が増加し、数回の繰り返し利用が可能となった。GAは架橋剤として知られ、この処理により酵素の菌対外への漏出、メタノール及びメチルエステルの菌体内への透過によるリパーゼの失活を抑制することが期待された。実際、酵素の漏出はなく、固定化菌体の活性維持に貢献していると考えられるが、それよりもメタノール及びメチルエステルによるリパーゼの失活の方が、活性に多大な影響を与えることが明らかとなった。 菌体内リパーゼ大量生産株を創製するため、Rhizopus oryzae lipase (ROL)及び、Aspergillus oryzae lipase (tglA、mdlB)の二種をコードする遺伝子を染色体組込みにより宿主A. oryzaeに導入した。形質転換により、それぞれのリパーゼを生産する菌体はコントロール株(非形質転換宿主)に比べて、ROL導入菌体では、3〜5倍、tglA導入菌体では8〜10倍程度のメタノリシス活性の上昇が見られた。また、mdlBはモノ、ジグリセリドに特異的なリパーゼであるため、それらを基質とした場合には活性の上昇が見られた。しかしながら、tglA導入菌体のモノ、ジグリセリドに対する活性と比較したところ優位差は見られなかった。
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Research Products
(1 results)