2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J09574
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福田 伊津子 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ダイオキシン / アリール炭化水素受容体 / フラボノイド / アンスラキノン / カロテノイド / クロロフィル |
Research Abstract |
ダイオキシン類は、アリール炭化水素受容体(AhR)の活性化を介してその毒性を発現するため、AhRの活性化を抑制することができれば、ダイオキシン毒性を軽減できると考えられる。本年度は、ラット肝臓細胞質画分を用いた無細胞系において、AhR活性化抑制成分を食品中から幅広く検索し、抑制効果を示した化合物の構造相関の解析を行った。その結果、フラボノイド類のうちイソフラボンや配糖体は効果が弱く、またフラボン、フラボノール、フラバノンでは、水酸基の数が増加するほど効果が弱くなることがわかった。このことから、フラボノイド類では疎水性とB環の結合位置が抑制効果に重要な役割を果たしていることが示唆された。平面構造をもたないカテキンやテアフラビンでは、ガロイル基が増えるほど効果が強くなる傾向が得られたが、没食子酸そのものは抑制しなかったことから、ガロイル基が付加することによって変化する化合物の立体構造が抑制効果に寄与していると考えた。アンスラキノン類については、C-1、C-4、C-5、C-8の位置に少なくとも一つの水酸基が付加すると、抑制効果が強くなることがわかった。ルテイン、ゼアザンチンやクロロフィルは、その構造がAhRの結合ポケットより非常に大きいにも関わらず、強い抑制効果を示した。ほかのカロチノイド類の化合物やフェオフィチンでは抑制しなかったことから、カロチノイド類では水酸基が、クロロフィルでは金属イオンが重要であることが考えられた。
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