2003 Fiscal Year Annual Research Report
放射線高感受性疾患遺伝子NBS1のテロメア維持機能と染色体不安定性
Project/Area Number |
02J09596
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 麻子 京都大学, 放射線生物研究センター, 特別研究員 PD
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Keywords | NBS / ATM / TRF2 / NBS1 / telomere / 染色体不安定性 / 細胞周期 / 発がん |
Research Abstract |
本研究では染色体不安定性症候群のNBS細胞、AT細胞、およびテロメア短縮が予想されるファンコニー貧血(FA)細胞を材料として、NBS1蛋白質のテロメア維持機能の解明と放射線発がんの重要過程である染色体不安定性との関連性を解析することを最終目的とし、今年度は以下の実験を行った。 1.NBS細胞におけるテロメアG-strand overhang生成の検討 ほ乳類のテロメア末端はt-loopと呼ばれるループ構造をしており、そのt-loop形成にはテロメア末端に存在する3' overhang(G-tail)が必要であることが分かっている。NBS1欠損細胞ではテロメア長の異常短縮が認められることを昨年までの研究で確認しているが、テロメア長だけでなくG-strandの生成にもNBS1が関与しているかを検討するためin-gel hybridization法を用いてG-strandの長さを調べた。 2.M/R/N複合体とTRF2との相互作用の検討 NBS1、MRE11、RAD50蛋白質は現在までの研究で、テロメア結合蛋白質の一つであるTRF2と共沈してくることが免疫沈降法により示されている。しかし、M/R/N複合体とTRF2の結合が直接的なものか間接的なものかは不明である。そこで我々は、TRF2とM/R/N複合体の結合がDNAを介しているかを検討するためにエチジウムプロマイドを用いで免疫沈降を行った。 3.NBS1の細胞内局在の検討 NBS1蛋白質の細胞内局在についてNBS1抗体を用いた免疫染色法によって検討した。また、同時にテロメア配列をプローブとしてFISHを行うことでNBS1をテロメア配列との相互関係を検討した。
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Research Products
(1 results)