2004 Fiscal Year Annual Research Report
新奇Rhoファミリータンパク質による頭部形成の制御機構
Project/Area Number |
02J09598
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鈴木 公子 (竹林 公子) 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 頭部形成 / アフリカツメガエル / 初期発生 |
Research Abstract |
研究代表者は頭尾軸および背腹軸の形成機構を解明することを目的として、アフリカツメガエル胚を用いた発現クローニング法をおこない、頭部の形成を阻害する遺伝子を単離した。この遺伝子は細胞骨格の制御に重要な役割を果すRhoファミリーに属する新奇の遺伝子であり、頭部形成を阻害することからkao-nashi(kash)と名付けた。kash遺伝子は、原腸胚期の原口上唇部に強く発現しており、神経胚期には頭部外胚葉に発現の局在が認められた。内在性のkash遺伝子産物の機能を解析したところ、kash遺伝子が上皮構造および神経組織の形態形成において重要な役割を果している可能性が強く示唆された。 Rhoファミリーに含まれるRho, Cdc42,Racについては、それぞれの活性を制御する調節因子の解析が行われているが、初期発生過程においてkash遺伝子がどのような調節因子によって制御されているのかは明らかでない。そこで、kash遺伝子の機能解析に加えて、kash遺伝子産物と結合するタンパク質を同定することを目的として酵母Two-hybridスクリーニングをおこなった。GAL4 DNA binding domainの下流にkash cDNAを挿入したプラスミドを酵母に形質転換させて、GAL4 DNA binding domainとkashの融合タンパク質を発現する酵母を作製し,この形質転換酵母にツメガエルcDNAライブラリーを導入して選択培地上で陽性コロニーを選択した。kash遺伝子産物とライブラリー由来のタンパク質が結合して陽性となった酵母から、ライブラリー由来DNAを回収し、その塩基配列を決定したところ、アクチン制御タンパク質に関連した遺伝子群が複数単離された。今後、これらのタンパク質を培養細胞で発現させて、Kashタンパク質との結合を確認する予定である。
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Research Products
(1 results)