2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J09743
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
RACHDA CHIASAKUL 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 資本流入 / 利子プレミアム・パズル / 不胎化政策 / アジア金融危機 / IS-LM-BPモデル / BernankeとBlinderのCC-LMモデル |
Research Abstract |
理論的に言えば、外部要因(例えば国際利子率低下)によって資本が流出した場合、資本流出は国内利子率を国際水準まで低下させる。しかしながら、アジア通貨危機の打撃を受けた国々(本論では、インドネシア、韓国、マレーシアとタイとする。)は、1990年から1996年にかけて巨額の資本流入がありながらも国内の利子は高水準値であり続け、かつ為替レートは安定し続けた。本論では、この国内の高利子水準のことを「利子プレミアム・パズル」と呼ぶ。 本研究は、アジア通貨危機の打撃を受けた国々(本論では、インドネシア、韓国、マレーシアとタイとする。)において危機以前の多量の資本流入時期における利子プレミアムパズルの可能な説明を模索した。そして、本論ではで国内高利子率をもたらす多量の資本流入と不胎化政策という定型化された事実を紹介する。そして、マンデル=フレミングIS-LM-BPという一つの理論的フレームワークを導入し、そして高利子率の説明としての金融当局の行動を指摘しつつ、本論ではアジア通貨危機の国々における危機前の高利子率が超大量資本流入に対する政策的対応だということを導く。そして、BernankeとBlinderのCC-LMモデルを用いと資産価値の高騰を導きながら金融当局が貸付経路を通じて国内利子率にどのように影響を与えるかを検証する。更に、本論では利子プレミアム・パズルを説明しうるミクロ経済学的モデルを用いて金融市場構造の問題と国際金融市場自由化の結果も検討する。
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Research Products
(1 results)