2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病連関神経細胞死に拮抗する新規遺伝子の解析と類縁体の探索
Project/Area Number |
02J09810
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田島 裕久 慶應義塾大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | Humanin / Alzheimer's Disease / Y-maze test / Novel object recognition task / behavior / memory and learning / in vivo |
Research Abstract |
1)in vivoにおけるヒューマニン(HN)類縁体S14G-HNのAβ健忘改善効果の組織化学的検討(側脳室投与) S14G-HNの側脳室投与によるβ-アミロイド(Aβ)健忘改善効果の組織化学的解析を更に推進した。健忘を起こさせるために雄ddYマウスの側脳室にAβ25-35を注入し3週間おいた。その間50pmolのS14G-HNを週1回計3度側脳室投与し組織化学的解析を行った。その結果S14G-HNによるAβ健忘の改善に伴い中隔のコリン作動性ニューロンのAβによる減少が阻害されることから、S14G-HNはin vitroだけでなくin vivoにおいても神経細胞死抑制作用を有していることが明らかとなった。 2)in vivoにおけるHN類縁体のアルツハイマー様健忘に対する作用(鼻腔内投与) Aβ健忘のマウスモデルに対する、より侵襲性の低い投与法によるHN類縁体の作用の検討を行った。健忘を起こさせるために雄ddYマウスの側脳室にAβ25-35を注入し3週間おいた。その間、HNよりin vitroにおいて約1000倍神経細胞死抑制活性の高いAGA-C8R-S14G-HNを隔日計10度鼻腔内に注入し、短期記憶及び空間作業記憶試験としてY字迷路試験を行った。その結果、10nmol計10回のAGA-C8R-S14G-HNの鼻腔内注入によりマウスの健忘が改善する傾向にあることが明らかとなった。また更にこれらのマウスを用いて新規物質探索試験を行ったところ、同様にAβ健忘を改善する傾向にあることが明らかとなった。これらのことから、前年度に明らかにした、HN及びHN誘導体の側脳室投与によるAβ健忘改善効果のみならず鼻腔内投与によるAβ健忘を改善する可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)