2002 Fiscal Year Annual Research Report
先住民経済史の可能性:オーストラリア先住民と植民地主義
Project/Area Number |
02J09826
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
保苅 実 慶應義塾大学, 経済学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アボリジニ / 植民地 / フィールドワーク / オーラルヒストリー / ジャパニーズ / 移民 / オーストラリア / 先住民 |
Research Abstract |
本年度は、当初の計画通り、アボリジニのグリンジ社会でのフィールドワークのデータを利用した論文を発表する作業、および、オーストラリアにおけるアジア系移民(とくに日系・日本人移民)と先住民族との歴史的経済的連繋について研究のための資料収集を効果的に行なうことができた。また学会や研究会での発表を精力的に行い、日本で9回、オーストラリアで2回の研究発表を行なった。 具体的には、オーストラリア渡航中に英文単著の準備を練りあげる中で、英文論文を数多く執筆した。掲載決定したものもあるが(裏面参照)、現在査読中のものもあることを明記しておく。また、オーストラリア滞在中に古文書館で史料調査をおこない、そのコピー及び整理作業を行なった。大量の書類を整理するためにリサーチ・アシスタントを雇用した。また、古文書館で閲覧できる写真を記録に残すためにデジタルカメラを利用した。このデジタルカメラは、今後フィールドワークでも使用されることになるだろう。また、ビデオ・カメラによるオーラルヒストリーの記録作業も検討中であることを記しておく。 日本では、日本語の論文執筆を精力的に行なった。オーストラリア学会では、テーマセッションを企画し、これが『オーストラリア研究』の特別編集として、掲載されることになった(裏面参照)。また、これまでの研究成果を英語と日本語で本として出版する計画を進めており、来年度には二ヶ国語で原稿の草稿が完成する予定である。英語・日本語双方で多数の書籍を購入したが、論文や書物を執筆するさいの参考資料として利用している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 保苅 実: "オーストラリア先住民とジャパーニーズ"オーストラリア研究. 15. 65-80 (2003)
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[Publications] 保苅 実: "アンチ・マイノリティ・ヒストリー"現代思想. 30-1. 20-32 (2002)
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[Publications] M.HOKARI: "Localised History"Locality. Autum. 4-7 (2002)
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[Publications] M.HOKARI: "Maintaining History"Coltural Surviral Quartely. 26-2. 26-27 (2002)
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[Publications] M.HOKARI: "Reading Oral History from the Postoral Frontier"Journal of Australian Studies. 72. 21-28 (2002)