2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J09843
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀本 訓子 慶應義塾大学, 理工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | クラスター / 表面増強ラマン散乱 / SERS / ナノ粒子 / コロイド / 銀 / ローダミン6G |
Research Abstract |
気相ナノクラスターは数個から数百個程度の原子・分子の集合体であり、バルクとは異なる構造や物性を持つことが多い。中でも特に、芳香族分子によって遷移金属が溶媒和された一次元サンドイッチクラスターでは、興味深い電子物性や磁性が現れることが近年発見された。このような気相ナノクラスターはその幾何構造によって大きく物性が変化するため、その構造および反応過程を分光学的に調べることが重要である。しかしその生成量は微少であり、また真空中であるために従来の分光測定は困難であった。そこで本研究は、気相ナノクラスターのラマンスペクトルを測定し構造解析を行うための方法論の開拓を目的として行った。具体的には、真空中で表面増強ラマン散乱(SERS)基板に気相ナノクラスターを蒸着させてSERSスペクトルを測定する方法を目指した。このためにdry条件においても活性の高いSERS基板の開発を行い、その活性の程度、微視的構造、適用可能な分子種にっいて検討した。真空蒸発法で合成された直径200nm程度の銀ナノ粒子をアミノシランコートガラス表面に固定化す為ことにより独特な微細構造を持つSERS基板を開発した。このSERS基板は溶液中でローダミン6G分子を吸着させると高い活性を示した。また真空蒸着および真空観察用のチャンバーを作製し、気相中で測定対象種を蒸着させたときの感度を銅フタロシアニン分子を用いて評価した。さらに実際にフェロセンや(C_6H_6)_2-Crなどのクラスター分子を真空中で蒸着させて測定を試みた。さらに効率の良いSERS基板の作製およびSERSの増強機構について知見を得るために、銀ナノ粒子の凝集状態を制御した基板の作製を試みた。具体的にはナノ粒子リソグラフィ法で様々なサイズの金属柱の規則的な配列を作製し、その上に銀ナノ粒子を集積させた。
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