2002 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディア通信に適したネットワーク構築に関する研究
Project/Area Number |
02J09893
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐久田 誠 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | WDM / マルチキャスト / スケジューリング / パケット遅延特性 / スループット特性 / 双方向リングネットワーク / コネクション |
Research Abstract |
近年の通信トラヒック量の急増に伴い、高速かつ大容量な情報転送を実現する技術である波長分割多重(WDM)を、バックボーンネットワークだけでなく、LANや都市部のネットワーク(MAN)のようなネットワークに適用する必要があり、そのようなネットワークにおいて、高スループットかつ低遅延なデータ転送が可能なプロトコルやアルゴリズムについての研究が行われている。また、通信品質要求の多様化により、ネットワーク上で1対多(マルチキャスト)通信を効率よく扱うアルゴリズムが必要となる。 本研究では、マルチキャストパケット混在トラヒック下での、WDMシングルホップネットワークに注目し、高負荷時にパケット遅延特性が劣化するという従来方式の問題点を解決するために、同時にスケジューリングを行う複数のデータパケットに対し、重複する目的アドレスを多く持つデータパケットの送信を遅らせることにより、送信までに要する待ち時間が短いデータパケットの数を大きくできるスケジューリングアルゴリズムを提案した。計算機シミュレーションにより、平均パケット遅延特性およびスループット特性を改善できることを示した。 また、WDM双方向リングネットワークにおけるコネクション確立において、宛先アドレスが競合する際、コネクション確立待ちのノードがコネクションを確立しデータ伝送を完了させるまでに大幅に時間がかかってしまうという問題点があった。そこで本研究では、コネクション確立に要する時間を短縮するため、先にデータ伝送を完了させたノードがコネクション確立待ちのノードに送信権の受け渡しを行なうコネクション確立方式を提案した。計算機シミュレーションにより、提案方式が従来方式と比較してコネクションのセットアップに要する時間、及び収容可能なコネクション数に関する特性を改善できることを示した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 北野 強, 飯塚 真規, 佐久田誠, 西野嘉之, 笹瀬 巌: "WDMシングルホップネットワークにおける競合アドレスの少ないマルチキャストパケットの送信を優先するスケジューリングアリゴリズム"電子情報通信学会論文誌. Vol.J.85-B, No.8. 1382-1393 (2002)
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[Publications] 藤原 悟史, 北村 強, 飯塚 真規, 佐久田 誠, 笹瀬 巌: "A connection setup scheme with transmission right handover WDM bidirectional ring networks"2003 International Conference on Telecommunications (ICT'2002). Vol.1. 176-181 (2003)