2002 Fiscal Year Annual Research Report
化学反応性を有するViscous fingeringの特性
Project/Area Number |
02J09896
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長津 雄一郎 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Viscous fingering / 化学反応 / 非ニュートン流体 / 微少空間 / 層流 |
Research Abstract |
まず、昨年度その一部について検討を加えていたFingeringの成長速度が化学反応を伴うViscous fingeringの特性に及ぼす影響について更に詳細に検討を加えた。その速度を8倍でしか変化させていなかった昨年の実験結果に対し、本年度はそれを250倍変化させて実験を行った。また化学反応を伴うViscous fingeringの対流・拡散・反応モデルを構築し、そのモデルによりその速度が反応特性に与える影響について解析的に検討した。これらの実験、解析の結果よりfingeringの成長速度が化学反応を伴うViscous fingeringの反応特性に与える影響は、速度が小さい領域では速度にかかわらず反応特性は反応物質に濃度に強く依存し、中間的な速度の領域では速度の増加に伴い反応特性に及ぼす反応物質の濃度の影響は小さくなり、速度の大きい領域では速度にかかわらず反応特性は反応物質の濃度にほとんど影響を受けないという三つの領域に分けられることが明らかになった。これらの結果は現在Chemical Engineering Scienceに論文投稿中である。ヘレ・ショウセルの厚さ方向の構造に影響についてはまず、セルの厚さを変化させて実験を行った。その結果、セルの厚さが大きくなると反応特性に及ぼす反応物質の濃度の影響が小さくなることがわかった。またセルの厚さ方向の構造のレーザシート法による直接計測は、セルの厚さが1mm以下と非常に狭いことから困難を極め、現在共焦点レーザー蛍光顕微鏡による直接計測を試みている。非ニュートン液体に形成される化学反応を伴うViscous fingeringの特性については、昨年度それがニュートン液体の場合とは異なることを明らかにしていたため、本年度はその原因を明らかにするための実験を行った。具体的にはその原因が化学反応による非ニュートン液体の粘度変化であると推測し、化学反応がある場合、ない場合での粘度測定を行い、それらを比較した。しかしながらそれらの実験結果に化学反応の影響が系統的に現れず、他の原因の可能性について検討している。
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Research Products
(1 results)