Research Abstract |
Vを要素数vの有限集合とし,AをVの元を要素とするr×c行列の集合とする.この行列のことを"グリッドブロック"と呼ぶ.このときVの任意の異なる2点が1つのグリッドブロックの同じ行もしくは同じ列にちょうど1回現れるとき,(V,A)を"r×cグリッドブロックデザイン"と呼ぶ.また,Vを等しいサイズ(t)のグループGでs個に分割できるとする.このとき異なるグループ間でちょうど1回現れ,同じグループ間では1回も現れないとき,(V,A)をグループディヴィジブルグリッドブロックデザインと呼ぶ.次に,Sを要素数sの有限集合とし,MをSの元を要素にもつk×s^2行列とする.このとき任意の異なる2×s^2部分行列にS×Sの元がちょうど1回表れるときMを強さ2,水準数s,制約数kの直交配列と呼ぶ. 計算機によりs=4,t=20のパラメータをもつ3×4グループディヴィジブルグリッドブロックデザインを構成した.このデザインと強さ2,水準数3,制約数4の直交配列を組み合わせることで,s=4,t=60(v=240)となる3×4グループディヴィジブルグリッドブロックデザインを構成できた.同様に,s=5,t=15となる3×4グループディヴィジブルグリッドブロックデザインと強さ2,水準数4,制約数4の直交配列を組み合わせることで,s=5,t=60(v=300)となる3×4グループディヴィジブルグリッドブロックデザインを構成できた.また,昨年の結果よりv=61,121,181,361,421,541,601,661となる3×4グリッドブロックデザインが存在するので,v=60n+1のとき,3×4グリッドブロックデザインが存在することが証明できた.(ただし,v=481,(n=8)のときは存在するかしないかは不明.) また,同様の手法によりs=5,t=96(v=480)となる4×4グループディヴィジブルグリッドブロックデザインを構成できた.s=4,t=96(v=384)となる4×4グループディヴィジブルグリッドブロックデザインを構成できれば,4×4グリッドブロックデザインの存在を2個の不明なものを除いて存在を証明できる.
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