2002 Fiscal Year Annual Research Report
CZ・FZ法単結晶育成融液内のGSMAC-FEMによる流動解析
Project/Area Number |
02J09989
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
河野 晴彦 慶應義塾大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | CZ法 / FZ法 / GSMAC-FEM / 自由表面 / 電磁流体 / Marangoni対流 / 乱流 / 固液界面 |
Research Abstract |
代表的な単結晶育成手法であるCZ法とFZ法は、電磁場や微小重力環境の利用により、さらなる大口径化や高品質化の達成が期待されている。単結晶は融液が固化することによって形成されるため、自然対流とMarangoni対流が混在する融液の対流御予固液界面の形状制御は重要である。本年度は、これらの目的を達成し得る精度、経済性、汎用性、安定性に優れた数値解析スキームの構築を行った。以下にその概要を列挙する。 1.有限要素法によるMarangoni対流解析スキームの構築 2.Level Set法による解適合格手法を組み合わせたLSM-AMRの構築 3.電磁場連成自由表面解析スキームの構築 4.ALE法を適用した移動固液界面解析スキームの構築 1では、自由表面上のjump条件が応力ベクトルのjump量として記述されることに着目し、Navier-Stokes方程式の重み付き残差式を弱形式化して得られる境界積分項へjump条件を導入する新たな概念を提案した。 2では、FZ法など自由表面を有する融液の制御でしばしば生じる変形問題に対し、安定なLevel Set法に解適合格子法を組み合わせ、精度と経済性が両立する新たな解析スキームを構築した。その際、格子分割・削除の指針値としきい値の選択は、それぞれLevel Set関数とスムージング幅が適している。 3では、電磁場解析において考慮すべき開領域の取り扱いに適した混合有限・境界要素法、および有限要素領域内で、大変形を伴う自由表面の計算に有効なLevel Set法を有機的に結合した、高周波交流磁場下における流体・電磁場連成解析スキームを構築した。 4では、凝固・融解時における固液界面の変形問題に対して、ALE法を活用した解析スキームを構築した。 その際、精度と安定性を保証すべく、最小格子幅を保ちながら指数関数を用いて界面近傍に格子を寄せる格子再生成法を考案した。
|
-
[Publications] 河野 晴彦: "GSMAC-FEMによる大口径CZ法融液内の熱流動のLES解析"日本機会学会論文集(B編). 68巻668号. 1044-1051 (2002)
-
[Publications] Kohno, H.: "Three-dimensional GSMAC-FEM simulations of the deformation process and the flow structure in the floating zone method"Journal of Crystal Growth. 237-239. 1870-1875 (2002)
-
[Publications] Kohno, H.: "Finite element simulation of single crystal growth process using GSMAC method"Journal of Computational and Applied Mathematics. 149. 359-371 (2002)