2002 Fiscal Year Annual Research Report
強い重力場下における固体中の原子の沈降と構造制御に関する研究
Project/Area Number |
02J10035
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小野 正雄 熊本大学, 衝撃極限環境研究センター, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 原子の沈降 / 重力場 / 超遠心機 / 拡散 / 超遠心力 / 合金 |
Research Abstract |
1 装置の改良: (1)原研の大容量型超重力場発生装置を用いた100万Gでの高温長時間の安定運転を目指した。これまでに96万G、130℃での長時間運転に成功していたが、装置がやや不安定であり、それ以上の条件が望めなかった。そこで、タービンのダンパーブッシングの改良とローターの改良を行った結果、安定な重力場の発生が可能になり、102万G、260℃の条件での長時間運転に成功した。また、高周波加熱装置の導入テストを行った。テストでは、静止状態で500℃以上への試料の加熱に成功した。導入により、より広い物質系での実験が可能になると期待できる。 (2)熊本大学の超重力場発生装置にデータ収集システムを導入した(キーエンスGR3500)。実験室外での温度や波形データの記録監視ができるので、遠隔監視が可能となり、装置から発生する騒音、排気ガス、オイルミスト等による人体への影響に対する不安を減らすことが出来た。 2 低融点合金中の原子の沈降実験: 低融点合金であるBi-Sb合金およびSe-Te合金(半導体)について超重力場実験を行い、原子の沈降による原子スケールの傾斜構造を実現した.(ともに102万G、260℃、100時間)。両合金ともに大きな結晶成長が見られた。今回の実験目的は原子の沈降の実現に絞っていたが、原子の沈降と結晶成長について調べる必要がある。 3 化合物についての原子の沈降実験: 化合物等についての実験として金属間化合物Bi_3Pb_7についての超重力場実験を行った。Bi_3Pb_7では原子の沈降による金属間化合物の分解が確認された。今後の装置の温度条件の向上に合わせて一般的な化合物についても実験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)