2002 Fiscal Year Annual Research Report
群集動態論に立脚した湖沼生態系マネージメント理論に関する研究
Project/Area Number |
02J10083
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Research Institution | Research Institute for Humanity and Nature |
Principal Investigator |
加藤 元海 総合地球環境学研究所, 研究部, 特別研究員
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Keywords | 湖沼 / リン / 沿岸帯植物 / 植物プランクトン / 富栄養化 / 水質 |
Research Abstract |
2002年6月3日から2003年2月27日までアメリカ・ウィスコンシン州のウィスコンシン大学陸水学研究センター(Center for Limnology, University of Wisconsin-Madison)にて、小規模湖沼群を対象にした現地調査を行なう目的で滞在した。滞在期間中、当センターの教官やポスドク、大学院生とともに、湖における栄養塩添加や、酸性雨の影響を調べる目的の人工的な酸の添加、沿岸帯に存在する陸上からの倒木が湖の生態系、特に小魚などの隠れ場としての役割を調べる研究など、湖沼生態系に人間活動が与えるさまざまな影響の研究を見てきた。その中でも私は、沿岸帯植物が湖の富栄養化と水質に与える影響の研究を主に理論的に行なった。富栄養化した湖では、外部からの栄養塩の添加がなくとも、深層水の無酸素化による湖底からの栄養塩(リン)の溶出が深刻だといわれている。浅く小さな湖では、沿岸帯植物が生えることにより湖底が安定化し、リンの溶出が抑えられることが報告されている。しかし、沿岸帯植物は、小さく浅い湖では湖央までその分布が広がることも可能であるが、大きな湖では湖全体に占める沿岸帯の割合が小さいためその影響は小さいと考えられる。そこで、湖の形態を考慮した湖沼の富栄養化のしやすさを研究した。
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Research Products
(1 results)