2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J10102
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
吉田 元子 上智大学, 法学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 和解 / 和解条項 / 裁判外紛争処理 / 調停 / ドイツ |
Research Abstract |
ドイツ民事訴訟法における議論の検討を中心に研究を行った。同法については、2002年1月から改正法が施行され、和解に関する規定も大幅に改正された。本年度の研究は、新規定に関する学説及び実務の展開を的確に把握することを主要な目的としていた。 その目的を実現するべく、本年度は、ドイツに赴き現地調査を行った。具体的にはまず、レーゲンスブルク、パッサウ、ハンブルクにおいて、留学時代の指導教授をはじめ各大学の教授と、新規定並びにドイツに特徴的な撤回権留保付き和解の解釈論を中心に議論した。和解と並んで、最近進展が著しいドイツの裁判外紛争処理制度についても、立法・解釈双方からの手当てをめぐる学説の状況について話を聞いた。また、レーゲンスブルク、パッサウ、ハンブルク、ミュンヘンにおいて、裁判官や弁護士にインタビューし、実務における和解制度の利用状況、新規定の運用のあり方について話を聞いた。特にミュンヘンにおいては、裁判並びに和解現場への立会い、関係事件の訴訟記録の照会と担当裁判官とのディスカッションにより、司法の現場における和解の実情を調査した。裁判外紛争処理制度の利用状況についても、制度的手当ての進んでいるバイエルン州の状況を中心に、公証人などの実務家から情報を収集した。これらの作業を通じて、撤回権留保付き和解の実態、和解に関する新制度をめぐる解釈論の進捗状況や司法現場における運用の現状、さらにドイツの裁判外紛争処理制度について、学説・実務の双方にわたり情報を得ることができた。また、現地では、最新の資料及び文献を入手することもでき、研究に大いに役立った。 それに加えてわが国の制度の研究を並行して行い、その研究成果をまとめて、著書として公表した。
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Research Products
(1 results)