2002 Fiscal Year Annual Research Report
多糖・無機ハイブリッドシステムによる遺伝子診断システムの開発
Project/Area Number |
02J10144
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
甲元 一也 北九州市立大学, 国際環境工学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | β-1,3-グルカン / 多糖 / 核酸 / 高分子複合体 / 化学修飾 |
Research Abstract |
基盤表面上での分子認識において、外部因子などにより複合体形成-解離を制御することは基盤の繰り返し使用、並びに感度のコントロールなどの面で多くの利点を生み出す。それを踏まえ、多糖・核酸複合体の安定性を制御を検討するため、多糖として用いたシゾフィランの精密化学修飾を試みた。過ヨウ素酸酸化反応と還元的アミノ化反応を組み合わせることで、シゾフィランの側鎖に対して選択的に機能性官能基(ここでは2-アミノエタノール)を導入することに成功した(Perkin Trans. 1にて発表)。また、アミノ基の導入率を変化させることで複合体の解離温度を50〜70℃にわたる20℃という温度範囲で制御できることも明らかとなった(投稿準備中)。また、多糖鎖としてβ-1,3-グルカン中で最も安価で幅広い用途に使用されているカードランを選び、核酸との複合体形成挙動についても検討した。カードランは水溶性に乏しく、その用途は水性ゲルなどの食品添加物への応用が主であったが、分子量を低下させることでシゾフィランと同様な複合体の形成が誘起され、核酸インターフェイスへも十分に使用し得ることが明らかとなった。また、この際、核酸との親和性はカードランの分子量に強く依存することが明らかとなった。このような分子量効果はシゾフィランでは全く確認されず、カードランを利用した新しい遺伝子の分離精製への用途が期待される(ACS National Meetingにて発表)。 上記の周辺技術と合わせて、シゾフィランの還元末端にSAM形成のためのアルキル鎖を介してチオール基を導入することに成功した。来年度は今年度得られたこのような結果をもとにして、新たに合成したQCM系の評価検討を進める。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazuya Koumoto: "Polysaccharide-Polynucleotide complex Part12 : Enhanced affinity for various polynucleotide chains by site-specific chemical modification of schizophyllan"Perkin Transactions 1. 2477-2484 (2002)
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[Publications] Kazuya Koumoto: "Chemical modification of curdlan : Characteristic complexation with polynucleotides by control of the molecular weight"Polymer Preprints. 43・2. 721-723 (2002)
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[Publications] Kazuya Koumoto: "Novel DNA-polysaccharide triple helix and its application to a gene carrier"Polymer Preprints. 43・2. 691-692 (2002)