2004 Fiscal Year Annual Research Report
意識発現機構の神経回路網による数理モデル化に関する研究
Project/Area Number |
02J10362
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
片山 克己 室蘭工業大学, 工学部, 助手
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Keywords | 視覚の選択的注意 / ニューラルネットワーク / 同期現象 |
Research Abstract |
海馬体と視覚皮質の間に双方向の情報のやり取りが存在するというIijima等の実験事実に基づいた視覚の選択的注意に対する数理モデルを2つ提案した。その2つのモデルは、海馬体と視覚皮質から構成される2層ニューラルネットワークであり、ニューロンとしてHodgkin-Huxleyニューロンを用いたモデルと林と石塚が提案したカオスニューロンを用いたモデルを考えた。計算機による数値計算によって両方のモデルの振る舞いを調べ、視覚の選択的注意が、海馬体のニューロン集団と視覚皮質の一部のニューロン集団の間の振動数と発火時刻に対する同期現象として理解できることを指摘した。そして、このモデルの振る舞いとニューロン集団の競合によって視覚の選択的注意がなされるというDesimoneとDuncanの仮説に矛盾が無いことを明らかにした。また、このモデルを用いると注意の遷移が速やかに行われることを明らかにした。なお、林と石塚が提案したカオスニューロンを用いた場合、周期的なスパイクだけでなく、準周期的なスパイクやカオス的なスパイクでも同期が起こることを確認した。Hodgkin-Huxleyニューロンを用いた2層ニューラルネットワークからなるモデルに関する研究成果はBiological Cyberneticsという外国雑誌へ投稿し、受理された。林と石塚が提案したカオスニューロンを用いた2層ニューラルネットワークからなるモデルに関する研究成果はInternational Conference on Neural Information Processingという国際会議に投稿し、受理された。
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Research Products
(2 results)