2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネの生産性並びに窒素利用機能を規定する遺伝子座の同定とその機構の解明
Project/Area Number |
02J10378
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小原 実広 東北大学, 大学院・農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / サイトゾル型グルタミン合成酵素 / 窒素利用 / 生産性 / QTL / 穂数 / 染色体断片置換系統群 / 組換え系統 |
Research Abstract |
イネの窒素転流において、老化葉身におけるサイトゾル型グルタミン合成酵素(GS1)が重要な機能を担っていることが知られている。しかしながら、窒素利用機構の詳細やそれらを制御している機構に関しては不明なままであった。本研究による生理学的及び遺伝学的解析から、GS1含量並びに穂重量を規定している遺伝子座が同定された。 老化葉身におけるGS1含量並びに穂重量を規定しているQTLが、第二染色体の極めて近傍に検出された。その領域のみがインド型イネKasalathの染色体に部分的に置換された系統、C-22を選抜した。遺伝背景であるKoshihikariとC-22を、ガラス室及び水田にて育成した。その結果、C-22のKasalath染色体断片置換領域に、GS1含量並びに穂重量を規定しているQTL(Pnn1)が存在していることが判明した。穂重量は穂数の増加により、達成されていた。Koshihikariに比較して、C-22は、栄養成長期初期の分げつ数が多く、このことが最終的な穂数の増加につながったことが考えられた。Pnn1の原因遺伝子の同定を目的とし、組換え系統の選抜、育成を行い、栄養成長期初期の分げつの発達に関して廉さ解析を行った。その結果、Pnn1は、6.7cMの領域に位置づけられた。10,000以上の大規模集団から、組換え系統を選抜、育成し、さらなるPnn1のファインマッピングを行った。その結果、Pnn1を23kbの領域に位置づけることに成功した。以上の結果は、イネの生産性を規定している遺伝子座の単離に向けて、順調に進行している。
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Research Products
(1 results)