2002 Fiscal Year Annual Research Report
ツメガエル四肢再生態と背腹軸形成-ツメガエル成体の四肢再生のために-
Project/Area Number |
02J10600
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松田 大樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ツメガエル / FGF / O / 四肢 / 再生 / Shh |
Research Abstract |
本研究の目的は、変態直後のツメガエル(以後froglet)の四肢再生能を向上させることである。今年度、特に前後軸形成に着目し、ツメガエルの四肢再生能向上のための研究を行なうことを計画した。これらの研究を行う上で、再生能の低下した発生段階56の幼生で前後軸の構造を持った四肢の再生能を向上させることができたFGF10が、後期発生段階にどのような影響を与えるかを知る必要があると、私は考えた。 そこで私は、そこで我々は、発生段階56以降の発生段階の肢芽の再生能とFGF10の相関関係を調べる目的で、発生段階56以降の発生段階の肢芽予定膝レベルで切断を行なったときの再生体の表現型とfgf10遺伝子の発現の相関関係を調べた。さらに発生段階56以降のいくつかの発生段階におけるFGF10添加の四肢再生能への影響を調べた。また、これらの発生段階のパターン形成能を調べる目的で、前後軸形成に必要とされるshhの発現を観察した。 その結果発生段階58以降の再生芽においてfgf10の発現が再び回復することが明らかになった。また、これらの実験により、ツメガエルの四肢再生能は再生芽の伸長能とパターン形成能それぞれが独立に低下することが原因で再生能が低下すること、発生段階57以降ではFGF10だけを加えてもその再生能向上が見込めないこと、そして発生段階58以降で再生能を向上させるためには、再生芽の伸長能ではなくパターン形成能を向上させる必要があること、そしてパターンの形成の向上には少なくとも前後軸形成の回復が必要であることが示唆された。 そのようなことから、現在、発生中の肢芽で前後軸形成のシグナルセンターとして機能しているZPAを幼生肢芽から取り出して、frogletの再生芽に移植する実験を行ない、前後軸の形成が回復するのかどうかを分子マーカーなどを用いて解析しているところである。
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