2002 Fiscal Year Annual Research Report
二周波励起容量結合プラズマにおける基板入射イオンの速度分布に関する研究
Project/Area Number |
02J10609
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
若山 剛 東北大学, 大学院・流体科学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 2f-CCP / PIC / MC法 / IED / プラズマプロセシング |
Research Abstract |
本研究ではPIC/MC法(Particle-in-cell/Monte Carlo法)による二周波励起容量結合プラズマ(2f-CCP)の解析を行ない,最適装置設計の指針となるべく様々な放電条件の影響を調べた. 二次元モデルでは電極半径が有限であるため,一次元モデルと異なり自己バイアス電圧はゼロとはならない.したがって放電構造は非対称となる.一次元モデルとの大きな違いは,低周波バイアス電極(LF電極)側に大きな負の自己バイアス電圧が生じることであり,この自己バイアス電圧は入射イオンのエネルギー分布に大きな影響を及ぼすことが分かった. 次に装置形状などの幾何学的条件が及ぼす放電構造への影響を調べ,放電構造の半径方向分布やイオン流束の基板上の分布を明らかにした.電極間距離を小さくすると軸付近以外の領域でイオン流束が大きくなり,結果として電極への流束の一様性が改善されることが分かった.一方,電極間距離を変えても入射イオンのエネルギー分布は変化しないため,基板内での一様な加工の実現に向けて電極間距離を最適化することは有効な方法であると言える.また装置側壁半径を大きくすると装置側壁による電極間放電領域への影響が小さくなり,電極半径内の領域で主に放電が起こるため入射イオン流束はより一様なものとなることが分かった.したがって電極端から装置壁までの距離が電極間距離に比して大きくなるように装置側壁半径を決定する必要があると言える.さらに高周波バイアスが主要なプラズマ生成源であるためLF電極半径よりも高周波バイアス電極(HF電極)半径が小さい場合,LF電極端でのイオン流束が減少することが分かった.したがってLF電極半径よりもHF電極半径を大きくする必要があると言える. 電極における二次電子放出の影響を調べたところ,電極の二次電子放出は入射イオンのエネルギー分布および流束分布にほとんど影響を及ぼさないことが分かった. 以上,本研究ではPIC/MC法による2f-CCPの解析を行ない,特に基板入射イオンの流束およびエネルギー分布の観点から,最適装置設計の指針となるための知見を得た.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Nanbu, G.Wakayama: "Probability Theory of the Velocity Distribution of Ions Incident on a Radio-Frequency biased Wafer"Vacuum. 65. 11-17 (2002)
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[Publications] G.Wakayama, K.Nanbu: "Velocity Distribution of Ions Incident on a Wafer in Two Frequency Capacitively Coupled Plasmas"Proc.23rd Int. Symp. Rarefied Gas Dynamics, AIP Conf. Proc.. (印刷中). (2003)
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[Publications] G.Wakayama, K.Nanbu: "Study on the Dual Frequency Capacitively-Coupled Plasmas by the Particle-in-Cell/Monte Carlo Method"IEEE Trans. Plasma Sci. (印刷中). (2003)