2002 Fiscal Year Annual Research Report
アニリン単位からなる新規なカリックスアレーンの創製と超分子不斉環境の構築
Project/Area Number |
02J10687
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
片桐 洋史 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | カリックスアレーン / チアカリックスアレーン / チアカリックスアニリン / 芳香族求核置換反応 / 結晶構造 / 水素結合 / 機能性材料 / 分子認識 |
Research Abstract |
本研究の目的は,キレーション制御型新規芳香族求核置換(S_NAr)反応を用いて新規なチアカリックスアニリン(TCAn)類縁体の合成し,これら類縁体を金属ならびに有機分子との錯形成を用いた超分子的な不斉環境の構築へ展開し,さらには人工的に酵素機能を発現させるところにある.本年度は下記を検討した. 1.S_NAr反応を用いた位置選択的なアミノ基の導入によるTCAn類縁体の合成 チアカリッククスアレーン(TCA)の架橋硫黄酸化体rctt-SOCAのテトラ-O-メチルエーテル体(rctt-MeO-SOCA)にLiNHCH_2Phを作用させ,向かい合った2個のMeO基が置換した1,3-ジベンジルアミノ体あるいは1個のMeOを置換したモノベンジルアミノ体を得た(44%,21%Y.).また,S=O基の配向の異なるrctt-MeO-SOCAにおいては隣接する2個のMeOが置換した1,2-ジベンジルアミノ体が得られた(31%Y.).これらベンジルアミノ体の脱ベンジル化および脱メチル化,架橋基の還元により1,3-ジアミノ体(1,3-DHTCAn),モノアミノ体(THTCAn),1,2-ジアミノ体(1,2-DHTCAn)の3種のTCAn類縁体を合成した(36%,24%,37%Y.). 2.TCAn類縁体の有機分子との錯形成能の調査 TCAnについて固体での有機分子包接能を調査した.X線結晶構造解析の結果TCAnはcone型であり空孔内に1分子のCH_3CNを包接することが分かった.また,水素結合様式の異なる2種類のコンホメーションが確認された.1,2-DHTCAnとMeOHの1:1錯体におけるX線結晶構造解析を行った.その結果,1,2-DHTCAnはcone型の配座でありその空孔内にMeOHを包接していた.また,分子間水素結合により1,2-DHTCAn2分子が会合した分子錯体の形成が確認された. 3.TCAn類縁体の金属との錯形成能の調査 1,2-ジアミノTCAについてCu(II)錯体の合成を行った.結晶構造解析の結果,Cu(II)錯体は配位子2分子がそれぞれフェノール性プロトンを解離して銅原子に配位した複核錯体であることが明らかになった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 片桐 洋史, 他: ""Thiacalix[4]aniline"as a highly specific extractant for Au(III) and Pd(II) ions"Chem. Commun.. 2002・18. 2080-2081 (2002)
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[Publications] 片桐 洋史, 他: "Pd(II) Complexes with thiacalix[4]-arene and -aniline ; subtle, but distinct influences of phenol and aniline units on the 3-D structure"Dalton Trans.. 2003・4. 723-726 (2003)
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[Publications] 片桐 洋史, 他: "Synthesis of All Stereoisomers of Sulfinylcalix[4]arenas"J. Org. Chem.. (印刷中). (2003)