2003 Fiscal Year Annual Research Report
エチレンによるマメ科植物根粒形成の抑制機構に関する研究
Project/Area Number |
02J10716
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
貫井 憲之 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ミヤコグサ / エチレン / 共生 / 根粒 / 形質転換体 |
Research Abstract |
変異メロンエチレンレセプター遺伝子Cm-ERS1/H70Aを導入したミヤコグサ形質転換体Lj-H70Aシリーズの自家交配によるT2世代3系統Line-4,Line-9,Line-23の導入遺伝子の確認および発現について以下の結果を得た。 ・三系統ともゲノミックサザンハイブリダイゼーションによって導入遺伝子を確認した。 ・導入遺伝子のmRNAレベルでの発現をRT-PCRを行って確認した。 ネガティブコントロールとして導入遺伝子の入ってない後代(Azygous plant)を用意した。 Cm-ERS1/H70A遺伝子の発現が確認された三系統のエチレン感受性が低下しているか野生株、Azygous plantをネガティブコントロールとして検討した。 ・エチレン前駆体添加培地において野生株は地上部の黄化を示した。Azygous plantも同様の形質を示した。一方で、形質転換体では、緑色の健康な地上部を示した。 ・また、花の日持ちによるエチレン感受性テストの結果、開花7日目で野生株、Azygous plantでは花弁が萎れて離脱していたが、形質転換体では新鮮な花弁が観察された。 この二つの結果から、形質転換体のエチレン感受性が低下したことを確認した。 さらにこのエチレン低感受性形質転換体の根粒形成特性を解析した。 ・形質転換体にLacZ標識ミヤコグサ根粒菌を接種し、根粒形成初期構造である感染糸を実体顕微鏡で計数した。その結果、形質転換体では野生株よりも感染糸の数が1.5-2倍増加していた。 ・形質転換体の実体顕微鏡による経時的な根粒原基、成熟根粒観察の結果、栽培後期において根粒原基数の増加が観察された。 ・エチレン低感受性形質転換体では、感染糸形成に必須な初期根粒形成関連遺伝子NINの発現レベルが上昇していた。 これらの結果をまとめ、学術誌Plant and Cell Physiologyに発表した(Volume 45 Nunmber4)。
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Research Products
(1 results)