2003 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光X線ホログラフィー法による局所格子歪の定量解析技術の開発
Project/Area Number |
02J10753
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 幸生 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | X線構造解析 / ホログラフィー |
Research Abstract |
1、蛍光X線ホログラフィーによるFePt磁性薄膜の短範囲規則度の評価 蛍光X線ホログラフィー(XFH)は、原子の3次元配列を直接的に決定できる手法である。XFHを人工合成された超格子薄膜の構造解析に適用すれば、薄膜の局所的な原子配置や短範囲規則度を三次元的に詳細に評価できる。我々は、次世代の記録メディア材料として注目されているFePt薄膜にXFH法を適用し構造解析を試みた。使用したFePt薄膜はX線回折測定により面直方向の構造評価が行われており、基板温度が低下するにつれて長範囲規則度が減少することが報告されている。このFePt薄膜のホログラム測定を放射光施設SPring-8のBL37XUで行った。FePtから発するFeのKα線を測定することにより、Fe元素周りの良質なホログラムパターンを得ることができた。また、原子像を再生させた結果、FePt薄膜中のPt原子の位置を0.01nmの精度で決定し、Pt原子の短範囲規則度の違いを反映した再生像の強度の違いを初めて観測した。 2、蛍光X線ホログラム測定の最適実験条件の評価 これまでXFHの実験条件は、小さなクラスターを仮定した構造モデルに基づき計算されたホログラムにより評価されてきた。球状のクラスターの場合、計算可能なクラスターサイズはせいぜい半径100Åが限界であり、実際、試料として使用する結晶中の単結晶ドメインのサイズ(>半径1000Å)に比べて非常に小さい。よって、大きなクラスターに対してもホログラム計算が行えるように、逆格子空間で計算を行えるアルゴリズムを導出し、最適なホログラム測定の条件について評価した。このアルゴリズムに基づき、金のホログラムパターンを計算した結果、蛍光X線の強度の観測とゴニオメータの操作を同時に行う連続スキャンが非常に有効であることが確かめられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yukio TAKAHASHI: "Development of laboratory X-ray fluorescence holography equipment"Journal of Material Research. 18. 1471-1473 (2003)
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[Publications] Yukio TAKAHASHI: "Complex x-ray holography"Physical Review B. 68. 052103-1-052103-4 (2003)
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[Publications] Yukio TAKAHASHI: "Development of a new holographic method with resonant x-ray scattering"Science and Technology of Advanced Materials. 4. 409-414 (2003)
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[Publications] Yukio TAKAHASHI: "Development and application of laboratory x-ray fluorescence holography equipment"Powder Diffraction. 19. 77-80 (2004)