2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J10779
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾形 幸子 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | マイクロチップ / 流路 / マイクロ電極 / 誘電泳動 / 電気泳動 / 微粒子 / マニピュレーション / μTAS |
Research Abstract |
超微細加工技術の進歩に伴い,Miniaturized Total Analysis System(μTAS)の開発が盛んに行われている.μTASは,輸送,混合,反応,分離,検出等,サンプル分析に必要な全ての機能要素をマイクロチップに集積化し,複雑な情報を低コストで簡便,迅速,高精度に収集可能な化学分析システムとして注目され,急速に成長し続けている.また,この技術のバイオテクノロジー分野への進出はめざましく,マイクロチップを用いた微粒子の分離や計測に関する研究が活発である.流路内で微粒子を取り扱う際,微粒子のマニピュレート技術は必要不可欠である.そこで,その駆動力として誘電泳動および電気泳動に注目した.電気泳動は,帯電粒子が電界中を移動する現象である.誘電泳動は,外部電場勾配による静電気力によって粒子が移動する現象である.これらの力を利用すると,微粒子の操作・分離が可能になる.微小流路に電極を組み合わせたマイクロチャンネルチップを作製し,誘電泳動および電気泳動を駆使してチップ上で微粒子の捕捉および連続分離を行った.金またはITO電極表面上にマイクロチャネルを作製し,シリンジポンプを用いて微粒子の懸濁液を一定流速で送液し,顕微鏡で観察しながら電極に電圧を印加した.チャネルは,3つの入口と出口を有し,中央部の両端に50μm露出した二組の金電極ペアが配置されている.電気泳動を利用すると中央入口から導入された微粒子の出口を制御可能であった.二組の電極ペアを利用すると,流路内において微粒子の流れる位置を制御できた.また,誘電泳動を利用すると3相層流状態を迅速に混合できることがわかった.さらに,誘電泳動を用いて捕捉した微粒子を任意の方向に誘導する技術を開発した.4極の電極を用いて微粒子を捕捉し,その捕捉状態において1極への電位印加を停止させ,微粒子の印加停止電極方向への制御を可能にした.
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