2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J10865
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐瀬 摩耶 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 機能性酸化物 / 酸化物薄膜 / ペロブスカイト型酸化物 / PLD法 / 固体酸化物形燃料電池 / 格子欠陥 / 酸素不定比量 |
Research Abstract |
単結晶安定化ジルコニア(YSZ・酸化物イオン導体)上にCe_<0.9>Gd_<0.1>O_<1.95>(CGO・酸素導電体)、La_<0.6>Sr_<0.4>CoO_<3-d>(LSCO・酸素・電子混合導電体)をPLD法(レーザー蒸着)によって積層した。この積層膜上のLSCOの酸素欠陥濃度を交流インピーダンス法により測定した。 ○電子・イオンの混合導電性を示すペロブスカイト型酸化物LSCOをPLD法によってCGO/YSZ上に製膜した。SEM観察の結果La_<1-x>Sr_xCoO_<3-d>は多結晶状に積層していたが、X線回折の結果では完全にエピタキシャルに成長していた。 ○交流インピーダンス法によってLSCO薄膜の電気化学的容量成分を測定した。この容量成分から薄膜の酸素欠陥濃度を算出し、文献値との比較により、薄膜化によってLSCO中の酸素欠陥濃度が各温度、各酸素雰囲気中でどのように変化するかを検証した。 ○積層LSCO膜中の酸素欠陥濃度はバルク体のそれに比べ減少していた。また、前年度研究のCGO多結晶上に直接製膜したLSCO膜と比べると、若干大きく、バルク中の酸素欠陥濃度に近い値となった。 ○今後、Sr量を変えたLSCO積層膜を作製し、同様に測定・解析を行う。また、PLDによる製膜時の基板温度や基板と膜の距離、レーザーパワーなどによって酸化物膜の微細構造が変化し、導電率にも影響が出ている可能性が分かった。今後はこれらの製膜条件を変えた薄膜を作製し、導電率測定、インピーダンス測定を行う。
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