2002 Fiscal Year Annual Research Report
半導体微細加工技術に基づく高密度エネルギ源の研究と携帯ガスタービン発電機への応用
Project/Area Number |
02J10871
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
源田 敬史 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MEMS / ガスタービン / 静電モータ / 静電発電機 / エレクトレット |
Research Abstract |
本年度は、開発を進めている半導体微細加工技術に基づいた携帯ガスタービン発電機の要素のうち、発電機とモータの設計を数値計算を用いて行い、形状の最適化を行った。そして、無損失にかつ理論限界の出力が得られるモータ駆動回路と発電回路とを提案し、その有用性を数値計算を用いて検証した。これらを用いることで、直径6mmのロータから200Vの電圧を加えることで2.9×10^<-4>N-mのトルクが得られ、100万rpmで回転させた場合、30.4Wの出力が得られることが分かった。 電極の形状は発生するトルクに大きな影響を及ぼすので、高出力を得るには電極の形状の最適化は重要である。まず、理論解析によって静電モータ・発電機の相似則を導き、電極幅に対する電極間隔の比(以下、電極比と呼ぶ)と電極幅に対する上部電極と下部電極のずれ(以下、位相差と呼ぶ)の2つの無次元量がトルクに影響を及ぼすことを示した。そして、数値計算によって、電極比が0.6とするとき、最も大きなトルクが得られることが分かった。 このようにして設計したモータ・発電機から最も大きなトルクを得るには、放電を起こさない範囲で最も大きな電圧を回転に合わせて、極性を切り替えて加える必要がある。しかし、この極性を切り替えるときに、駆動電極に存在する寄生容量に充放電が必要となり、大きな損失を生む。これを避ける方法として、極性を切り替えるときにいったんインダクタにつなぎLC共振によって電荷の入れ替えを行う回路を提案した。さらに、発電機として用いる場合は、常にインダクタをつないでいても、その共振周波数で動作しているときは、切り替えをしたときの8割程度の出力が得られることが分かった。この回路は全て受動素子から構成されるので、扱いが容易である。
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