2002 Fiscal Year Annual Research Report
新しいCo-Ni基強磁性形状記憶合金の開発と多機能素子への応用
Project/Area Number |
02J10873
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 俊洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Co-Ni-Al / 強磁性形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 磁気変態 / 形状記憶効果 / 磁歪 / スマート材料 / インテリジェント材料 |
Research Abstract |
近年,Ni-Mn-GaやFe-Pd合金などが強磁性形状記憶合金として注目を浴びている.しかし,これらは延性に乏しく,非常に高価であるという問題点を有している.本研究は,Co-Ni-Al合金において,高延性・低コストの強磁性形状記憶合金の開発を行うことを目的として行った. Ni-(30〜45at%)Co-(27〜32at%)Alの組成範囲において磁気変態温度およびマルテンサイト変態温度を調査した.マルテンサイト変態は,すべてB2-L1_0変態であった.変態温度は組成によって変化し,キュリー温度はCo濃度が増加すると増加し,Al濃度が増加すると減少する.一方,マルテンサイト変態温度はCo, Alともに濃度が増加すると減少する.ただし,磁性の影響により,同一組成でもマルテンサイト相のキュリー温度はオーステナイト相のキュリー温度より約85K高くなることがわかった.また,適切な合金設計により,キュリー温度,マルテンサイト変態温度は120K〜420Kまで独立に変化させることができ,従来の強磁性形状記憶合金よりも幅広い利用が可能である.これらの2つの変態により,本合金系では3タイプの異なる変態挙動を示す.即ち,タイプI:常磁性母相→常磁性マルテンサイト相→強磁性マルテンサイト相,タイプII:常磁性母相→強磁性マルテンサイト相,タイプIII:常磁性母相→強磁性母相→強磁性マルテンサイト相の3種類が確認できた.タイプIIは歪を磁化の変化で感知するようなセンサー,タイプIIIは歪材料として期待できる.
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Research Products
(1 results)