2004 Fiscal Year Annual Research Report
新しいCo-Ni基強磁性形状記憶合金の開発と多機能素子への応用
Project/Area Number |
02J10873
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 俊洋 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Co-Ni-Al / 形状記憶合金 / 強磁性 / マルテンサイト変態 / 磁気変態 / 磁場誘起歪 / 磁歪 / アクチュエータ材料 |
Research Abstract |
従来の形状記憶合金は、温度変化により最大約10%もの歪を得ることができるが、材料の冷却速度によりアクチュエータの応答速度が律速され、他のアクチュエータ材料に比較して応答性に劣るという欠点があった。近年、強磁性形状記憶合金が見出され、世界的に注目を浴びている。この強磁性形状記憶合金は磁場によっても歪を制御でき,磁歪や電歪材料より10-100倍大きな歪が得られることから,新しいタイプの磁気駆動アクチュエータへの応用が期待されている.しかし、従来のMn-Mn-GaやFe-Pdなどの強磁性形状記憶合金は加工性に乏しいことや材料が高価であることが欠点であった。そこで、本研究では、冷間加工が可能で安価な強磁性形状記憶合金であるCo-Ni-Al合金について、磁気特性について調査を行った. Co-Ni-Al合金では、マルテンサイト相が母相に比較して結晶磁気異方性が大きく、強磁性状態ではマルテンサイト相の方が母相より磁化率が小さい.飽和磁化はマルテンサイト相の方が高い。このような挙動は、Ni-Mn-GaやNi-Mn-Al合金と同様である.しかし、マルテンサイト変態温度とキュリー温度が交差する組成範囲の場合、逆にマルテンサイト相において磁化率が高くなる.また、単結晶Co-Ni-Al合金において、0.06%の可逆的な磁場誘起歪が得られた.本合金系の磁気変態温度、及び、マルテンサイト変態温度は-150℃〜120℃まで制御することが可能であり、加工性やコストの面からも実用化が期待できると言える.
|
Research Products
(2 results)