2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J10876
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
和田 惠美子 日本大学, 文理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自己 / 規律 / 動員 / 新自由主義 / ゆとり教育 / コンピュータ教育 / 奉仕的活動 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は以下計三点である。うち一点は口頭発表であり、別の一点の成果には翻訳が含まれている。 1.和田惠美子「問い直される主体像〜『ゆとり教育』と奉仕的活動における自発性と主体〜」 社会理論研究(社会理論学会機関誌)第4号(2003年6月7日)P.129-P.139. 昨年度口頭発表したものを加筆修正して投稿、採用になった論文である。何かせねばならないが何をしなくてはならないのかという浮遊した自己を、ある一箇所に引き寄せるという構造を、戦時中の「動員」にならい、「ゆとり教育」が培ってきたはずの自己の発露の機会や主体の構築のあり方が、どのようであるのか、どうあるべきなのかを問うた。 2.C・A・バウアーズ著、杉本卓・和田惠美子訳『コンピュータを疑え-文化・教育・生態系が壊されるとき』(2003年12月10日) 主に子どもによるコンピュータの使用が自己の枠組みをどう作り上げ、その枠組みを採用することによって、切り捨ててしまったもの、捨て置かれたものは何かということを問いかけている。 3.岩田一正、和田惠美子「日本における教育の新自由主義的構造改革」 釜山大學校教育研究所(2003年11月18日) 口頭発表である。中曾根康弘が首相在任中に強化された、日本における新自由主義的教育改革が、新保守主義的な思想を伴うという構造、経済同友会によって提出された「合校論」、及びそれに賛同を示した教員組合に加入している教師たち、さらには教育基本法改正への賛否両論の枠組みを示した。そして、日本における具体的な改革の実態や韓国との比較などを議論することになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 和田惠美子: "問い直される主体像〜『ゆとり教育』と奉仕的活動における自発性と主体〜"社会理論研究(社会理論学会機関誌). 第4号. 129-139 (2003)
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[Publications] C・A・バウアーズ 著, 杉本卓, 和田惠美子 訳: "コンピュータを疑え-文化・教育・生態系が壊されるとき"新曜社. 272 (2003)