2003 Fiscal Year Annual Research Report
Z型DNAにおける5-ブロモウラシルの光反応性の解析
Project/Area Number |
02J11012
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田代 竜 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブロモウラシル / アミノプリン / Z-DNA / 電荷移動 |
Research Abstract |
ブロモウラシルはB型DNA中ではほとんど反応しない配列であってもZ型に構造変化させると効率良く光反応が進行するという特性がある。この光反応性からブロモウラシルはZ型部位検出のためのプローブとして期待できる。DNA塩基の重なりを電荷は移動することが知られており、その性質は塩基の種類とその重なりに依存することが報告されている。DNAオリゴマー中でブロモウラシルは電荷移動により光反応が進行すると言われている。このことから、Z型DNAにおけるブロモウラシルの光反応を調べることでZ型中での電荷移動が明らかになると思われる。そこで、酸化電位が低い8-メトキシGをDNA中に置換し,ブロモウラシルのZ型中での光反応性を詳細に検討したところZ型DNAにおいて4塩基からなる独立したπスタックのクラスターが存在し、電荷の移動を制御していたことがわかった。近年、DNAはナノデバイスの素材として注目されている。我々は、このZ型DNAによる電荷移動制御から分子デバイスへの応用を検討した。電荷移動のプローブであるアミノプリンを導入しDNAの構造をB-Z間で変化させ電荷移動経路をコントロールしたところZ型ではB型の時と比較して、著しい蛍光の増加が見られ機能性分子の可能性があることがわかった。B-Zのコントロールは温度により制御されることは知られており、実際に今回用いたアミノプリンでも温度により蛍光の増減が確認できたことから、DNAの電荷移動制御による温度センサーを初めて開発した。以上の点からZ型DNAは新しいナノデバイスを指向した構造としても期待できる。また、アミノプリンはZ型DNA中ではB型中と比較して10倍近い蛍光を発することからブロモウラシルと同様にZ型検出のためのプローブとしても利用できるのではないかと期待している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Ryu Tashiro, Hiroshi Sugiyama: "A Nanothermometer Based on Different π-Stacking of B-and Z-DNA"Angewandte Chemie International Edition. 42. 6018-6020 (2003)
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[Publications] Ryu Tashiro, Hiroshi Sugiyama: "Unique Charge Transfer Properties of Four-base π-Stacks in Z-DNA"Journal of the American Chemical Society. 125. 15282-15283 (2003)