2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J11027
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
高際 寛之 青山学院大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 超伝導 / 磁性 / Ru系銅酸化物超伝導体 |
Research Abstract |
この系RuSr_2RECu_2O_8(RE : rare earth element)において現在までに行われた物性測定はすべて多結晶体試料のものであり、超伝導と強磁性の共存機構を解明するための詳細な実験結果を得るためには、単結晶試料を用いた測定が必要不可欠である。そこで、今年度我々はこの物質の単結晶育成を試みてきた。まず、RE=Yの試料にフラックスとしてCuOを混ぜたものを超高圧下で熱処理を行うことにより、単結晶育成を試みたが単結晶試料を得ることができなかった。また、RE=Yの試料は超高圧下でしか合成できないため、常圧下においてはRE=Gdの試料を用いてRE=Yの場合と同様にCuOをフラックスとして単結晶育成を行った。しかし、この場合も単結晶試料を得ることはできなかった。これらの原因として、超高圧下では熱処理できる容積が非常に小さいために単結晶が大きく成長しなかったこと、また、フラックスとして用いたCuOに試料がうまく溶解しなかったことが考えられる。これらのことを踏まえた上で来年度は、フラックスとして今までと同様にCuOを用いて、熱処理の温度や冷却時間などの条件をもう少し探る方法と、この系がうまく溶解するようなフラックスを探し、単結晶試料の育成を行うことを考えている。
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