2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J11131
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
徳永 光 一橋大学, 大学院・法学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 刑事手続 / 科学的証拠 / 証拠能力 / 鑑定 |
Research Abstract |
本年度は、まず「DNA証拠の許容性-Daubert判決の解釈とその適用」と題する論文を公表し、科学的証拠の証拠能力の判断枠組みを提示した。また、これまで中心に据えてきたDNA鑑定とは異なる分野の科学的証拠に検討対象を広げた。心理学、法医学については、特に、当該分野での専門家同士の評価基準としてどのようなものがあるか、学会等の作成による裁判に関与するためのガイドラインや規則があるか、という点について、各分野の専門家から話を聴いた。専門分野での規則や評価基準が、同様に証拠能力判断の基礎にもなると考えるからである。しかし、調査の限りでは、ガイドラインのようなものは存在していないこと、鑑定人は各人独立に実務に関与しており、鑑定結果を相互評価するための機会が設けられていないというのが現状であるように思われた。この点は、あるべき鑑定制度の検討課題の一つとして、調査を継続する予定である。 なお、心理学については、アメリカ心理学協会による倫理規範およびアメリカ心理-法学会の策定した法心理学者のための特別ガイドラインの内容を検討し、第3回法と心理学会でポスター発表を行った。 その他、臭気選別、法医鑑定、心理学鑑定について、公刊判例と学説の整理を行い、また、公刊されていない判例と鑑定書の収集を行った。 また、医薬品の許認可制度について、制度と問題点に関わる文献を収集した。鑑定資料の保存の問題に関連しては、臨床分野における死体解剖時の臓器等の保存と、刑事鑑定における資料保存について、関連法令や基礎となる理念を対比しながら検討し、研究会において報告を行った。
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Research Products
(1 results)