2003 Fiscal Year Annual Research Report
東アフリカ環ヴィクトリア・ナイル系「民族」の生成と失敗した戦略
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02J11166
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
梅屋 潔 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウガンダ / ナイル系民族 / ジョパドラ / アミン政権 / 独立以降 / 大主教暗殺 / オボス=オフンビ / オカルト |
Research Abstract |
本年度の研究も、おおむね予定通り進行した。具体的成果を以下に述べる。まず、国内で実施された作業のうち、昨年度借り出すことのできた故オボス=オフンビのアルバム二冊の複写が完了した。これらは、1971年国防長官在任時にアミン大統領(当時は将軍)とインドへ外遊時と1972年国防大臣在任時にのちの大統領ティトー・オケロ(当時の階級は不明)とともに英国に外遊したときのもので、並んで写っているものがあり、資料的価値はきわめて高い。完成品は、写真業者に委託し、専門家により接写され、ネガを作成するとともにデジタル化した。あわせて、ウェブ上から多大なるウガンダ政治、アミン政権、そして大主教暗殺事件の関連資料を入手した。現地調査時には、新しい録音資料はもちろん、昨年度に録音はしたものの書き起こしと翻訳が不十分だった資料についても完成させた。このウガンダ滞在期間中に、サウジアラビア滞在中だったアミン元大統領が死亡(肥満に由来する糖尿と腎不全とみられている)したために、現地新聞でも関連記事が膨大に書かれた。それらはほとんどすべて購入し、持ち帰った。それらは現在ウェブ上でも入手可能であると思われるが、現物が発行されたときの周囲の反応が観察できたことも大きな成果である。同じくウガンダ滞在中、故オボス=オフンビ宅に訪ねた折には、後継者から、私信や公文書の一部の閲覧を許された。そのなかには履歴書もあり、これまで不明だった履歴の部分や、年代も確認された。閲覧を許されたなかにも興味深い資料も多々存在したが、公文書に属するものについては、開示期限を過ぎていないものがあり、複写や借り出しは控えた。ただし、今回は、残念なことに、新たな情報提供者の開拓にはほとんど成功しなかった。来年度の課題である。技術的には、未だ完了していない、日記の複写・デジタル化があげられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 小島美子, 三隅治雄, 宮家準, 宮田登, 和崎春日編集: "祭・芸能大辞典"朝倉書店(近刊)(仮称).