2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J11177
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
山本 唯人 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 防災 / 近代防災体制 / 防空 / 空襲 / 緑地計画 / 都市計画 / 東京 / 地図 |
Research Abstract |
・本年度は、主としてこれまで行ってきた調査・研究を、適宜、新たな資料などで補いながら一橋大学社会学研究科に提出予定の博士論文『近代防災体制の形成と空襲対策』としてまとめる作業を行った。 ・特に「緑地計画」関係の資料については、東京市・府・都公園行政関係の行政文書を幅広く所蔵する「東京都公園協会」のアーカイブを探索し、1938(昭和13)年から1943(昭和18)年にかけて、本件旧の対象とする「防空都市計画」期における「緑地」事業の概要を通覧できる「東京緑地協議会資料」を新たに発見した。これまで二次文献に頼るしかなかった戦時期公園緑地行政の流れを裏付ける決定的な資料である。これにもとづき、本研究内における「緑地計画」関係の枠組み、記述の大幅な再構成を行った。 ・1942(昭和17)年、東京初空襲以降の「防空体制」実践期における人々の意識をあとづけるという問題意識から、6家族のケースについて空襲被害者・遺族の「家族関係」に関する聞き取り調査を行い、合計8本(今年度分は3本)の論考として東京自治問題研究所機関誌に発表した。 ・東京空襲の被害実態を伝える資料『都内戦災殉難者霊名簿』を利用しながら、特に、「東京大空襲」といわれる3月10日分についての情報のデータベース化、資料分析を行い、被害者の地理的な分布、性別、年齢構成などの一端を明らかにした。成果の一部が、江戸東京博物館『犠牲者の軌跡』展に取り入れられ、地図パネル化して展示された。
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Research Products
(4 results)