2003 Fiscal Year Annual Research Report
ニューブリテン島東部における伝統貨幣と法定通貨をめぐる地域経済の状況
Project/Area Number |
02J11230
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
深田 淳太郎 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | パプアニューギニア / イーストニューブリテン州 / 貝貨 / 原始貨幣 / 地域通貨 |
Research Abstract |
本年度は、2003年6月より2004年2月にかけてパプアニューギニア国イーストニューブリテン州においてフィールドワークを行った。それ以外の期間は、国内において文献資料を用いた研究を行った。補助金は主に現地でのフィールドワークに関わる諸経費(渡航費など)、文献購入費、および研究のための機材の購入費に当てられた。研究についての詳細は以下の通りである。 1.フィールドワーク イーストニューブリテン州ラバウルディストリクト、バラナタマンLocal Level GovernmentのTavui No.1村に基盤を置いて調査を行なった。調査開始から二ヶ月ほどは主に現地語(オーストロネシア系のクアヌア語)の習得に取り組んだ。その後の調査では、主に村の中での人々の日常生活における経済活動に注目して参与観察を行なった具体的には様々な経済的資源(商品作物、土地、現金、貝貨など)の獲得から分配、消費の一連の流れについて、調査対象を狭めに設定して詳細に調べた。 またイーストニューブリテン州政府、それに関連する諸機関において貝貨タブの法定通貨化プロジェクトに関わる資料の収集、および役人へのインタビューを行なった。またパプアニューギニアの首都であるポートモレスビーにおいてはパプアニューギニア国立大学、国立図書館、国立文書館などで資料収集を行なった。 2.文献研究 本研究の対象であるトーライ社会の伝統貨幣をより広い文脈から理解するために、(1)グローバルな経済状況下における地域経済をめぐる現在の状況に関して報告している文献、(2)人類学以外の分野(経済学、哲学など)における貨幣をめぐるこれまでの研究成果を用いて研究を行った。
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