2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜レセプター発現型磁性ナノデバイスの構築及びその創薬への応用
Project/Area Number |
02J11296
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
吉野 知子 国立大学法人東京農工大学, 大学院・工学教育部, 特別研究員(DCI)
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Keywords | 磁性細菌 / 磁気微粒子 / アンカー分子 / 膜貫通タンパク質 / アセンブル |
Research Abstract |
本研究では、医療・環境分野に利用可能な機能性ナノ磁気微粒子の創製とその利用に向けて、磁性細菌が合成するナノサイズの磁気微粒子(磁性細菌粒子)上へ効率的な外来タンパク質アセンブル技術の開発を行うことを目的とした。近年、磁性細菌ゲノムの解読、粒子膜上のタンパク質解析の結果より、これらの情報を利用した研究が可能となった。そこでゲノム・プロテオーム情報をもとに、効率的なアンカー分子、プロモーター配列を選択し、機能性分子のアセンブルを試みた。 磁性細菌粒子膜プロテオーム解析により単離されたタンパク質Mms13のアンカー分子としてのキャラクタリゼーションを行った。Mms13は膜2回貫通型タンパク質であることが予想され、C末端部位が粒子表面に局在していることが示された。さらに洗浄やウレア処理においても、Mms13が磁性細菌粒子に強固に結合していることが示された。そこで、これまで用いられてきたアンカー分子であるMagA、及びMms16、Mms13のC末端にルシフェラーゼを融合し、粒子上のルシフェラーゼ活性を比較したところ、Mms13は、Mms16の400倍、MagAの1000倍の活性を示した。またMms13を融合することにより、融合タンパク質の細胞内における磁性細菌粒子上への局在率が高くなり、効率的なアセンブルが可能であった。さらに多量のプロテインAアセンブルにも成功し、Mms13を利用した効率的なアセンブルが可能であることが示された。本技術を利用することにより、水溶性タンパク質をはじめ膜貫通タンパク質のアセンブルへも利用でき、応用範囲の広いアセンブル法の開発が行えた。
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