2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
02J11367
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
井上 太郎 国立天文台, 理論天文学研究系, 特別研究員(PD)
|
Keywords | ダークマター / 重力レンズ / ブラックホール |
Research Abstract |
1.宇宙に存在する太陽質量の10倍から10^4倍程度の質量範囲のコンパクト天体をMASCO(MASsive Compact Objects)と呼ぶ。私はMASCOをQSOの重力レンズ効果による多重像の高解像度観測により探索する方法を提案し、共同研究者と共に重力レンズ系B1422+231を例にしてシミュレーション計算を実行した。その結果、もしMASCOがブラックホールとしてレンズ銀河内のダークハロー中に多数存在するならば、将来の宇宙超長基線電波干渉計(VSOP2)の目標とするレベルである0.01masの解像度があれば、拡がったQSOジェットの多重像中に小さな暗点もしくは隣接した暗点と輝点の組として観測されることが判明した。又、銀河潮汐力による破壊を免れた太陽質量の10^5倍程度のコールドダークマターの部分構造も同様に観測されるが、レンズ中心近傍におけるQSOジェットの表面輝度の減少はMASCOの場合に比べ緩やかであることが判明した。 2.私は銀河ハローに存在する月質量以下程度の光らないコンパクト天体をマイクロレンズ効果による増光現象によって探索する方法を考案した。M33内の約10万個のA,B型星を8mクラスの口径を持つ大望遠鏡で一秒程度のタイムスケールで測光すれば、10晩程度で太陽質量の10^<-7>から10^<-11>倍程度のダークマターを検出することが可能である。又同時に、数百天文単位にある半径数十kmのカイパーベルト天体や数千天文単位にある半径数kmの内部オールト雲彗星による掩蔽も観測可能であることを見出した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] KaiKi Taro Inoue, Masashi Chiba: "Direct Mapping of Massive Compact Objects in Extragalactic Dark Halos"The Astrophysical Journal. 591 2. L83-L86 (2004)
-
[Publications] KaiKi Taro Inoue, Takahiro Tanaka: "Gravitational Waves from Sub-lunar Mass Primordial Black Hole Binaries-A New Probe of Extradimensions-"Physical Review Letters. 91 2. 021101-021104 (2004)